コミュニティQ&A by YongYea @E3 2019【翻訳】

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有用な情報がてんこ盛り過ぎて、思わず全訳してしまいました(長文です)
質問に回答しているのは、サイバーパンク2077でクエスト・ディレクターを務めるMateusz Tomaszkiewicz氏です
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▶︎キアヌ・リーブス
Q:ジョニー・シルヴァーハンド役にキアヌ・リーブスを!と思ったのはいつのことですか?またどのようにして彼の出演にこぎつけたのですか?
A:私の知る限りではおよそ1年ほど前のことですね。そもそも原作のジョニー・シルヴァーハンドとは確固たる信念を持つ男で、ナイトシティを牛耳る巨大企業やシステムに抗う…反体制の思想を体現する象徴的存在、反逆者なのです。キアヌは自身のキャリアの中で、ジョニーのような(信念のために闘う)キャラクターを演じてきた経験が豊富ですから、「誰にジョニー・シルヴァーハンドを演じてもらうか」という議論がスタジオ内でされた時、キアヌは私たちが求めるジョニー像にまさにぴったりでした。
彼に出演してもらうためにどうやって交渉したかという件については…企業秘密ですね笑 ていうか私もその詳しい経緯は(直接関わっていないため)知りません。ただ彼の出演が決まった時のスタジオ内の盛り上がりは尋常ではなかったです。キアヌ本人からスタジオに宛ててビデオメッセージまで届いたんですが、それを見た全ての従業員の興奮ぶりも凄まじかったです笑

Q:キアヌ・リーブスは本作にどれぐらい関わってくるのですか?カメオ出演程度ですか?
A:カメオとは全く違います。ジョニーは本作のメインキャラクターの1人であり、第二の主人公と言っても差し支えありません。本作で展開されるストーリーも彼を中心としたプロットが幾つもありますし、ゲームを通じてジョニーとは様々な関わりを持つことになります。また主人公Vとジョニーの関係も容易なものではありません。(ネタバレになるので詳しいことは今はまだ言えませんが)プレイヤーが本作でどのような「V」として生きていくかによって〜2人の関係(の構築)にも影響が出るでしょう。
とにかく本作における彼の役割はとても重要なものであってダイアログも多いです。キアヌは経験豊富な俳優ですし、その出来栄えにも是非期待してください。

▶︎原作2020に所縁のあるその他キャラクター
Q:デモ(一般にはまだ未公開)の最後で「Alt Cunningham」について少しふれていましたね。原作2020ではジョニーの恋人で伝説的なハッカーとしても知られるAltは2077にも登場するのですか?
A:かもしれませんね...笑

Q:なるほど、そこはまだ詳しく言えないのですね笑…では他のキャラクターはどうですか?例えば「Morgan Blackhand」とか?
A:うーん、ネタバレしたくないので今言えることといえば…オリジナル(2020)の設定を知っていれば、そこで見慣れた何人かのキャラクターを2077でも目にすることはできますよ。

▶︎キャラクターカスタマイズ
Q:昨年(2018年)のデモではキャラクター・カスタマイズの画面が披露され、そこでは子供時代のヒーローという項目がありました。この件について何か教えてもらえますか?シルヴァーハンド、ブラックハンド、アラサカと三人から選べましたよね?
A:デモの最初にもあったように、昨年のものはまだ開発段階のものでしたが、実際の所キャラクタークリエイションに関しては現在も開発中の段階です。これは顔のパーツや子供時代のヒーローについても同様(開発中)ですが、ただライフパスについては実装が確定しています。例えば「Street Kid」ならストリート出身でギャングの扱いに長けているといった具合に、ライフパスでキャラクターの背景設定を選択できます。「Corporate」なら企業戦士、「Nomad」なら各地を転々とするノーマッド出身というように、ライフパスによってプレイヤーの体験も異なったものとなり、ゲーム中のダイアログもこれに応じた多くのオプションが(例えばノーマッドなら【Nomad】専用のダイアログが追加といった具合に)用意されています。

Q:原作のTRPG版ではそれらの要素は「ロール」の一つ(NomadとCorporateのこと)に割り振られていました。それが本作ではライフパスに組み込まれているのは、何かしら専用のアビリティが用意されているからですか?
A:というより本作のライフパスは「キャラクターの出自」を表すもので、主人公Vが基本的に「傭兵」であることには変わりません。フィクサーを介して様々な勢力から仕事を請け負う傭兵「V」を多様にカスタマイズするための要素、その一つがライフパスということです。
本作ではプレイヤーがどのようにミッションをクリアするか、どういったスキルを駆使していくか、このあたりの多様性をウィッチャーよりも広げたい、という狙いが私たちの中にありました。(ゲラルトという確立されたキャラクターではなく)プレイヤーごとに異なる個々の「V」を構築してもらう、そのために設けたのが今回のキャラクタークリエイションです。

Q:今回披露されたデモでも、ネットランナーのVとソロのVでは攻略法が全く異なっていましたね。
A:それがまさに今回のデモで皆さんにお見せしたかった要素の一つです。同じ局面でどれぐらい異なるアプローチが可能なのか、分かりやすくお伝えするために、設定が異なるVの切り替えプレイを含む今回のデモを用意しました。もちろんあれは開発ツールを使った特別仕様なので、実際の製品版で同じこと(切り替えプレイ)はできないですが、本作にどれほど多くの(ミッション解決のための)道筋があるか、あのデモを見た方ならお分かりになったと思います。

▶︎リプレイ性、NewGame+
Q:ジェンダー(性)の違いは本作に何かしらの影響を与えますか?
A:本作ではあくまでプレイヤー自身がゲーム中に選んだダイアログや辿った道筋の違いがその後のコンテンツに影響を及ぼします。ジェンダーの違い、もしくはプレイヤークリエイションの内容次第で本作のコンテンツの一部がいきなり何かしらカットされるようなことは一切ありません。トロフィーコンプを目指すようなプレイヤーの方はご安心を。もちろん本作では様々なロールプレイを楽しむことが可能なので、そのための周回プレイは必要ですよ。

Q:本作に「New Game +」はありますか?
A:現在はまだ検討段階です。

▶︎ネットランニング
Q:今回のデモではターミナルだけでなくワイヤーらしきものを使ってNPCにハッキングしたりする様子を確認できました。またデモの最後では実際にサイバー空間にも足を運んでいましたね。本作のサイバー空間はどのような様相を呈しているのですか?プレイヤーはどの程度探索することが可能なのでしょう?
A:サイバーパンク2077のタイムラインでは、2020年から2077年にかけて、とある時期に一つの大惨事が起こりました。1人の伝説的ネットランナーが大量のマルウェアをはじめとする悪質なAIを備えたプログラムをNetに拡散し、それによって世界中のサイバー空間が大混乱に陥ったのです。これに対処したのがNetWatchで、既存(2020時代)のサイバー空間を分断するべく「ブラックウォール」と呼ばれるものを開発して問題の解決にあたりました。こうして現在(2077年)の世界中のほとんどの人々は(既存のNetではなく)ローカルネットワークを利用せざるを得なくなったのです。ですから独自のアクセスポイントを介してローカルネットワークに接続する様子がデモでも描かれていました。
しかしながら、オリジナル(2020)のサイバー空間は消滅したわけではありません。ブラックウォールの向こう側に現在(2077年)も存在しています。この壁を越えようと世界中のネットランナーたちが挑んではいますが、今の所ここから帰ってきた者は誰もいません。NetWatchですら壁の先がどうなってるか知る者はおらず、独自のAIが(内部で自発的に)発達を遂げているかもしれません(*)。ブラックウォールの存在は2077の大きなミステリーと言っていいでしょう。
【訳注】*原作2020には「Netを構成する各リージョンには”Transcendental Sentience Regional AIs”と呼ばれるNet内で自発的に形成された独自AIが存在する」という都市伝説的な噂が存在した(参考)​

Q:本作でそのブラックウォールの先に行けるのですか?
A:それは実際にプレイしてのお楽しみです!

▶︎義体化、プレイヤースタッツ
Q:昨年のトレイラーでは顎の部分をまるまる取り外してメイクに高じている女性のキャラクターなどもいましたが、本作では彼女と同じように体の部位をメカニクスに交換することが可能なのですか?
A:もちろん!本作ではプレイヤーの体の色々なパーツをサイバーウェアに置換することができます。腕、足、胸といった胴体だけでなく神経系にいたるまでかなり大胆に改造を施すことが可能で、インストール後のアップグレードなどもできます。ダブルジャンプを可能にするサイバーウェアを導入すれば、通常(のジャンプ)では届かないような場所に行けますし、サイレントランニングが可能なサイバーウェアであれば、ステルス時に威力を発揮するでしょう。

Q:プレイヤーが有する(IntやCoolなどの)スタッツについてはどうですか?この要素はもともとTRPGにありましたが、原作2020ではキャラクターがどの分野のアビリティに長けているかの指標となるステータスでした。2077でも同様の扱いになっているのですか?
A:2077ではもう少しゲームプレイ寄りなスタンスで扱っています。例えば会話中にこのスタッツが直接的に関係することはありません。本作でいうプレイヤースタッツとは、例えば「装備品によって変化する」いわゆる(RPGではよくある)プレイヤーの能力値のことです。

▶︎車両、武器
Q:ヴィークル(車/バイク)の改造は可能ですか?
A:私の知る限りですが、本作でプレイヤーが獲得できるヴィークルは数多くあり、ガレージに収納した中から自分の好きなヴィークルを選んで運転するといった感じです。ヴィークルを改造できるかどうかについては現在検討中で、今後どうなるかはまだわからないです。

Q:街中を走ってる車を盗むことはできますか?それとも所持できるのは特定のものに限られるのでしょうか?
A:車は盗めます。

Q:AVs(飛行車両)に関してはどうですか?乗ることはできてもプレイヤーが運転することはできないらしいですが…
A:ナイトシティのAVsは当然本作でも目にすることができ、その数も多いです。ただプレイヤーがそれに乗ってトラベルすることはできますが、実際にパイロットとしてAVsを運転することはできません。

Q:武器のカスタマイズはどの程度可能ですか?ペイントを施したりできますか?
A:本作では武器カスタマイズに関するシステムも用意していますから、例えばスコープやサイレンサー、弾倉の拡張といったアタッチメントを追加できますし、また武器によって個性があるためそれに応じたエンハンスメントも様々です。
あと武器のペイントに関してですが…これについては自分は把握していないので正直わかりません笑 ただ「本作はまだ開発途中」ということを念頭にお話するなら、私が以前目にしたカスタマイズ画面ではサイレンサーの付け替えが行われていて、その時確認した限りだとスプレーで武器にペイントを施していた様子はなかったですね(今後どうなるかはわかりません!)

▶︎ジャッキーの死
Q:今回のトレイラーで…相棒のジャッキーが死んでしまったようですが…あれは確定事項なのですか?それともプレイヤーの選択次第で彼の死を免れることは可能ですか?
A:率直に申し上げますと…これに関しては今は謎のままにしておきたいんです。ジャッキーがどうなったか、プレイヤーご自身の目で実際に確認してもらいたいので。

▶︎ラジオ、ポリスシステム
Q:今回のデモではラジオを視聴する様子も確認できましたね。
A:本作のラジオはオリジナルサウンドトラックによるもので、デモでご覧いただいたように複数のラジオ局から選択して聴いていただくことができます。

Q:GTAシリーズのような暴走運転は可能ですか?
A:できます。ちなみにこれは開発陣が目指した本作の「ポリスシステム」に関連した話になりますが、本作では(ナイトシティの)各区画によってそのエリアを仕切っている勢力が異なるため、プレイヤーが厄介なことをしでかせば、エリアごとにあなたを追っかけてくる勢力が異なります。例えばダウンタウンだと企業セキュリティや警察(NCPD)、パシフィカだと(警察が足を踏み入れないエリアなので)ヴードゥー・ボーイズに代表されるギャングたちに追われることになるでしょう。

▶︎クリア時間、マルチエンディング、オーギュメントなしでクリア
Q:サイドクエストを一切プレイせずに、メインストーリーだけに注力すればクリア時間はどれぐらいですか?
A:(首を横に何度も振りながら)言えません。そもそもまだ開発途中ですからね。

Q:本作はマルチエンディングですか?
A:…はい。

Q:主人公Vがオーギュメントを一切施さずに本作をクリアすることは可能ですか?
A:可能です。ただしストーリー上どうしても必要なサイバーウェアが2つだけあります。どちらも昨年の48分ゲームプレイで確認できますが、1つは「Kiroshi」製の(光学系)サイバーウェア。もう1つがサブダーマルグリップです。リパードクのヴィクターがVにオーギュメントを施していたあのシーン、あれは本作のプロローグにあたるため、あの2つのサイバーウェアをスルーすることはできません。ですがそれ以降は一切のサイバーウェアを無視してクリアすることが可能です。 なおVの首元にあるチップは、サイバーウェアというよりも様々なデバイスにアクセスするためのスロットで、2077の住民たちの間ではごく一般的なものです。

▶︎レベルキャップ、フォトモード、各種勢力
Q:本作にプレイヤーのレベルキャップはありますか?それとも上限なし?
A:それに関してはまだ決定してないですね。上限があるかどうかもわからないです。

Q:フォトモードについてはどうですか?
A:最近のゲームはフォトモードを搭載しているものが多いですし、もちろん私たちもこの件について検討を重ねてはいるのですが、現時点では実装をお約束できる段階にはまだ至っていません。

Q:本作に存在する(ギャングや企業に代表される)様々なファクション(勢力)はどれぐらいの数に及ぶのですか?プレイヤーが特定の勢力に肩入れすることは可能ですか?
A:まずナイトシティは6つの区画に分かれており、各エリアごとに異なるギャングが支配しています。またナイトシティの外周にも「Badlands」と呼ばれるエリアがあって、ここはノーマッドやRaffen Shiv(*)のテリトリーです。他にも市政を牛耳る数々の企業と(それに連なる)フィクサーたちなど、様々な勢力が存在します。
【訳注】*Raffen Shivはノーマッドの一種で、悪の限りを尽くすタチの悪い集団のこと(参考)​
各勢力とプレイヤーの関係、彼らの仕事をどのようにして請け負うかについては、そのほとんどがストーリードリブンに基づくもので、いわゆる「知名度システム」的な関係ではありません。ですからミッションが発生し、それを受けるか受けないかはプレイヤー次第なわけで、受ければその勢力に肩入れすることに繋がるでしょう。NetWatchにつくか、ヴードゥー・ボーイズにつくか…デモでご紹介した内容などはその一例です。あと主人公Vは結局「フリーランス」の傭兵なわけですから、永続的にどこかの勢力に加わるということはありません。

▶︎オープンワールド、ミニゲーム、巨大企業にCDPR
Q:本作のオープンワールドについて。どれぐらいの規模、例えばどれぐらいの建物に入れて、どれぐらいの垂直的な(高さの)広がりがあるのですか?
A:ナイトシティは広大で、プレイヤーは様々な建物に入ることができますが、さすがに全ての建物に入ることは無理です。またプレイヤーが入れる建物は何らかのコンテンツに関わるものが大半ですが、一切の侵入が許されないような存在する意味のないビルはありません。ナイトシティのメイン6区画には多くのビルが乱立しており、これらはそれぞれに高さを備えた侵入可能な(場所がある)建物です。一方(まだみなさんには公開していませんが)前述の「Badlands」は、どちらかというとウェイストランド的な荒廃したエリアですね。

Q:ナイトシティの摩天楼、どのぐらい高くまで登れますか?最高到達点から飛び降りたい!というのがファン心理というものですが…笑
A:うーん…今言えることは…とりあえずダウンタウンのコーポレートセンターにあるビルのどれかが最高到達地点だと思います。

Q:本作のミニゲームについて教えてください。ビリヤードとか、ウィッチャーでいうグウェントのようなカードゲームはありますか?
A:現時点で存在しているミニゲームは…デモでも確認いただけたハッキング、シューティングレンジ、カーレース、拳闘試合の4つです。

Q:カードゲームは本作にない?
A:ないです。

Q:今後ユーザーからリクエストがあったらどうですか?カードゲームを実装する気は?
A:うーん…どうですかね…今はまだ何とも言えません笑

Q:サイバーパンクの世界で暗躍する巨大企業。2077のオリジナル要素として、CDPRという名の企業が登場することはありますか?
A:自分の知る限り…そういう話は聞いてないですね笑

▶︎規制関係
Q:ソニーの独自規制の話は記憶に新しいですが、完全な「成人向け」のゲーム作りを目指している本作に影響はありますか?
A:率直に申し上げて、それに関する話題は今ここで初めて聞きました。自分の知る限りでも、スタジオ内でそれに関する問題が持ち上がったことは一度もありません。本作で私たちが取り組んでいる規制に関する問題は、あくまでもリージョンごとの規制のみです。ウィッチャー3と同様のリージョン規制は考慮せざるを得ませんが、それ以外は特にありません。

▶︎ゲーム業界におけるCDPRのスタンスとは
Q:最後の質問です!CDPRはゲームデベロッパーとして非常にユーザーフレンドリーなことで知られています。現在のゲーム業界においてCDPRとはどういう存在なのか、ゲーム開発を進める上であなた方のゴールは何なのか、あなたの考えを聞かせてもらえますか?
A:まずゲーム開発とは私個人にとってもかけがえのないもので、自分が好むゲームを作り、それをみなさんにも楽しんでもらえることがゲーム作りの源になっています。またゲームをエンターテイメントとして見た時に、シングルプレイヤーゲームはとてもユニークな存在であり、昨今のゲーム業界で「シングルプレイヤー向けのゲームは売れない」的な話を目にすると悲しくなってしまいます。私個人はこのジャンルになると没頭アビリティがフル稼働してしまうほど大好きなので…。
ですから私は証明したいのです。「シングルプレイヤーゲームは死んでいない」と。このジャンルはゲーム業界にとっても重要な存在なんだとね。
 
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