Petrify氏インタビュー【翻訳】

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Petrify氏インタビュー【翻訳】

みなさんこんにちは。

先日GwentDBにて世界ランク1位になられたこともあるグウェントプレイヤー、Petrify氏のインタビュー記事が掲載 されました。
eスポーツでも活躍するプロゲームチーム「compLexity Gaming」の一員でもある同氏が、現在のグウェントをとりまく環境など多岐に渡る質問に答えています。 以下からどうぞ。

ソース:http://www.gwentdb.com/articles/142-...-streaming-and
謝意:本スレッドの内容は本間さん(CDPR)に校正をしていただいております。ありがとうございました!
Q:ここ数ヶ月のグウェントシーンであなたの名前は非常によく知られた存在になりました。簡単に自己紹介をして もらえますか?
A:オーストラリアのメルボルン出身でもうじき25歳になります。グウェントは6,7ヶ月ぐらい前からプレ イし始めましたが、本格的にプレイしだしたのはごく最近です。オーストラリアではスタークラフトをプレイし ていて国内ではハイレベルを維持していました。その後カウンターストライクに移行して今でもよくプレイして います。カードゲームは大好きで幼い頃からプレイしていました。ポーカーなんかもよくやりましたよ。だから グウェントも自然とプレイするようになったんです。ビデオゲームは8歳のころからプレイしていて、当時は兄 と一緒にMMORPGなどをよくやっていました。

Q:あなたは他のタイトルですでに多くの経験をされていますが、あなたのスキルはグウェントにどう活かされてい ますか?
A:スタークラフトの戦略的な考え方は、グウェントでも大いに活用できていると思います。例えば特定のマッ プで相手がどういうビルドでくるのか、こちらの動きに対して相手がどういう戦略をたててくるのかといった部 分がそうです。グウェントは相手の立場になって「自分が相手ならどうするか」といったことをとても考えさせ られる作りになっていると思います。もちろん、ゲームプレイ的にはスタークラフトとグウェントは全然違いま すが(笑) 私のマリガンAPMは激遅ですよ… でも、大会の出場経験は活かせそうですね。何度もトーナメントでプレイしたおかげで、緊張することはありま せんから。

Q:あなたがグウェントで脚光を浴びだしたのは、数週間にわたってグローバルランキングを席巻したからですね。
A:あの2週間は本当にエキサイティングでした!グウェントの配信を開始した時は北方諸国を使っていて、当 時の北方諸国はあまり強い勢力ではなかったんです。それで視聴者の方が「モンスターみたいなもっと強い勢力 を使えばランキングのトップにいけるよ」と言ってくれて、ダゴンを使うようになりました。その後数週間のう ちにダゴンデッキを使ってランキング上位のプレイヤーを凌ぐようになり、さらに5日ほどかけてGameki ngと私で一位の座を競い合うことになりました。最終的にGamekingのデッキに強い「斧兵」の登場で 彼のランキングは下がり、一方自分の方は「斧兵」にも対処できるデッキだったので一位の座を確保することが できたんです。

Q:最近Complexity(注:プロゲーマーチーム、compLexity Gamingのこと)が彼らのグウェントチームとしてあなたをピックアップしました。SuperJJのよう なプレイヤーがいるチームの一員になれてエキサイティングでしょうね。参考:http://www.complexitygaming.com/teams/gwent
A:Complexityはスタークラフトを始めたころからフォローしているチームだったんですが、その後 彼らは大きく成長してeスポーツの多くのタイトルにメンバーを排出するようになりました。eスポーツ業界に はちょっと怪し気なチームや団体もたくさんありますが、彼らは信頼に 値する組織であり、また非常に名の知れたチームでもあるため、一員に加われて本当に興奮しています。最初に ComplexityのメンバーであるMerchantからメッセージをもらったんです。私は当時ほ とんど彼のことを知りませんでしたが、彼が私のコンテンツをとても気に入ってくれ、メンバーにならないかと 誘われました。私はSuperJJの大ファンなんです。彼はグウェントのベストプレイヤーの一人ですから、 彼と一緒にチームでプレイできるのは最高の喜びでした。私の思い描くゴールやビジョンがComplexit yのそれらと合致してたので、すぐに決断できました。

Q:今年の8月はグウェントにとって大きな一ヶ月になりそうです。多くの大会が開かれますし、中でもドイツのケ ルンで開かれるGamescomでは賞金総額25,000ドルのトーナメントも開催されます。こんなに早く グウェントの規模が大きくなると想像していましたか?
A:大会開催の素早さには驚いていますね。ただグウェントが規模を拡大し成長していくことに驚きはありませ ん。グウェントはeスポーツのタイトルとして必要な競技性を全て兼ね備えていますし、シンプルながらも 奥が深いゲームです。開発元のCDPRがグウェントの促進を約束し、またeスポーツ化に前向きなのも大 きいですね。

Q:Gamescomのオンライン予選ではかなり苦しみましたね。残念ながらメインイベント参加資格のある上位 7名に入ることは惜しくもできませんでした。どれぐらいのプレッシャーがありましたか?
A:大会の告知がされた時はかなり困惑しました。というのも当時はそろそろパッチが来そうだなと思っていた ので、次のパッチでランキングを席巻しそうな勢力やトーナメントで使えそうなデッキの研究に集中していたか らです。だから当時の自分のポジションは800位ぐらいと悪く、そこからMMRを上げ短期間のうちに這い上 がっていく必要がありました。ちなみにこれはRedditでも言いましたが、予選のシステムにグローバルラ ンクを用いるのは理想的なやり方だとは思いません。
とにかく当時の自分はMMRを上げるためにeiSloth作のモンスターデッキを使い、勝率は70%をキー プしてなんとかトップ50まで上り詰めました。その後はVishraの協力のもとトップ20に入る所まで来 ましたが、当時の自分はとにかく1~3ゲームを全力で戦い、集中力を失わないようにしばらく休んでからまた プレイというルーティーンでした。
予選最終日の自分の最高グローバルランクは8位でしたが、ここでわたしは決断を迫られました。その時点でプ レイをやめて、上位陣が渡航ビザの発行などゲーム外の要素で大会に参加できなくなるのを祈るか、リスクを置 かしてさらに上を目指すかの2択です。
この時チームメイトのSuperJJが最後の一押しのために協力を申し出てくれました。それで彼のようなプ レイヤーが味方にいるのだからリスクをおかそうと思ったのです。
予選最後の数時間で鍵を握っていたのは「メタゲーム」です。つまりトップ20にいるような上位プレイヤーは みんなお互いに相手のデッキを把握していたため、それに応じていつキュー(queue:並ぶこと、待機)す るかを決めていました。例えばGamekingは対モンスターに弱いデッキでプレイしていたので、彼がゲー ムサーチするとモンスターデッキのプレイヤーが一斉にキューをやめるといった具合です。
自分の場合は(モンスターデッキから)この時ドワーフデッキに切り替えたのですが、不運にもスケリッジ勢に 4連続であたってしまい全て相手にいいようにやられてしまいました。それでMMRが一気に100も下がり2 3位に転落。その後再びモンスターデッキに戻して巻き返しましたが、時すでにおそく最終的に12位で私のG amescomトーナメントは終わりました。

Q:あなたは最近開かれたGwentlemen主催のトーナメント「The Gwentlemen Invitational」にも参加しましたね。初戦はいかがでしたか?また本大会のフォーマットなどにつ いてどう思われましたか?
A:初戦の相手はCD Projekt Rektというクールなチームでした。ちなみに私達は本来チームComplexityとして参加する予定だ ったのですが、SuperJJがどうしても都合がつかずTruedawnを加えた変則チームでの参加です。 正直いって本当に楽しかったですね。まずダゴンデッキがゲームから除外(訳注:プレイヤーは複数のデッキを 用意し、ゲーム開始前に対戦相手のデ ッキひとつを指定して除外できる)されたので、北方諸国デッキでプレイを始めました。その理由は、もし北方 で負けて同じデッキで3回プレイすることになったら、一度くらいはバカヅキするんじゃないかなって。最後の ゲームはMerchantの「女王近衛兵」デッキ対「公開」ニルフガードデッキでした。ラウンド3が面白か ったんですよ。我々は手札が2枚差で不利だったんですが、それでも強化しまくった「ディムン一族の海賊」で 相手をまくることができました。向こうに「ディメリティウム爆弾」などの死にカードがあったのも幸いでした ね。またこの大会のフォーマットも非常にクールだと思いました。スタークラフトでよく採用されているリバー スコンクエスト、すなわち選手が負けるまで戦って、一人で相手チ ーム全員を撃破できるルールも大好きなんですがね。もちろん、そのルールには明らかな欠点があって、最終的 にゲームをプレイしないチームメンバーが出てきてしまう。それでも、見てる側としてはとても面白いんですよ 。

Q:「The Gwentlemen Invitational」には他にも優れたプレイヤーがたくさん参加しました。その中であなたが思うベス トチームは誰ですか?またはお気に入りのチームなどはいましたか?
A:私と同郷のオーストラリア人プレイヤー2人と友人でもあるPumpinSh1のチーム、Pumpkin DownUnderが私のお気に入りです。彼らがいいプレイをするのを是非見たいですね。全体的に見るとM aggoGx、VayshxD、MyslingのチームClub Penguinがベストチームじゃないでしょうか。過去のトーナメントでも実績のある3人が集まったチーム ですからね。優勝の可能性もありますよ。ただ他にもロシアのチームも良いですし、この大会のフォーマットな らど こが優勝するかは予想できません。

Q:現在のパッチはまもなく終了しそうです。現パッチの総括をしてもらえますか?以前のパッチよりも改善された と思えるものだったでしょうか?
A:現在のパッチはプレイの多様性という点で非常にすぐれていたと思います。ランキングに入り込めるような デッキが全ての勢力で少なくとも1つは作れますからね…ただニルフガードは例外ですが。スコイアテルにはド ワーフがいますし、北方諸国にはヘンセルトやフォルテスト、スケリッジは斧兵など、モンスターは言わずもが なです。
ただ全体的なパッチの感想としてはあまり良いとは思えないですね。なぜそう思うのか一番の理由は現パッチの 期間が長過ぎるように感じるからです。おそらくGamescomやその他のイベントのスケジュールによって そうせざるを得なかったのでしょう。現シーズンがグウェントの歴史で最も長いシーズンとなるのではないでし ょうか。ですから将来的にはもう少しパッチリリースのサイクルが早くなってくれるよう期待します。Redd itを見 ても毎日のように新パッチの情報を求める声がありますからね。
個人的な所感として、現パッチは今シーズン(オープンベータ以降)で最もバランスが取れている一方で、パッ チ運用の期間に問題あり…といった感じです。

Q:今月末の配信が予想されている新パッチには、多くのプレイヤーが期待していると思います。特にメタの変更や 新カードの追加がそうですが、あなたが期待している変化は何でしょうか?
A:私が最も期待をよせている変更点は「継戦」アビリティに対してです。ドワーフを中心とした「継戦」メタ は、 いわゆる 「じゃんけん」的なデッキ構築を押し付けてしまいます。ドワーフに対処できるカードがあるデッキの場合は当 然勝利できますが、そのデッキは別のデッキに対して全く勝てない。逆に別のデッキに勝てるデッキでは、ドワ ーフに対処できなくて「継戦」メタに負ける、という形です。「Gwentleman」のトークショーに出演 した際、「継戦」ユニットはベース戦力値だけを引き継ぐようにすべきと提案しました。ですがそうなると、ベ ース戦力値が3しかない「エキムマーラ」辺りには大幅な変更が必要となるでしょう。また、先行後攻の有利不 利もなんとかすべきと考えています。特に同じデッキで戦うミラーマッチにおいては、その影響が如実に表れま す。あとは、個人的には「密偵」が強すぎるという印象を持っています。もっと戦力値を上げるべきだと。今の 環境ではラウンド3にだって「密偵」をバンバンプレイできてしまいますよね。 最後に、もっといろんなデッキ種別が見られるようになればいいですね。「マリガン」スコイアは大好き ですが、今のままだと競技シーンでは厳しい。

Q:「総合的に優れたプレイヤー(※原文はwell-rounded playerです)」を定義しようとした時、あなたから見てグローバルランキングとトーナメントの違いはど う関 係していると思いますか?
A:私にとってグローバルランキングとはプレイヤーが「1つのデッキで」どれだけうまくプレイしたかをはか る指標です。しかしトーナメントでは「1つのデッキで」勝ち上がることは出来ません。ですからトーナメント に勝ち上がれるかどうかの指標としてランキングを用いることはあまり意味がないように思います。
私にとって「総合的に優れたプレイヤー」とはランキングとトーナメントの両方で結果を残せるプレイヤーのこ とで、例えばMaggoやVayshはまさにそれです。私もいつかはそういうプレイヤーになりたいと思って います。

Q:あなたは最近グウェントのコーチングを始められました。どういったプロセスで、またあなたのコーチングによ ってプレイヤーはどれぐらいの成長を期待できるのでしょう?
A:最初に申し上げたようにグウェントはシンプルながらも奥が深いゲームです。非常に繊細な要素が勝負を分 けますし、例えばレート4000のプレイヤーと4500のプレイヤーのゲームプレイの差異もそういった些細 な部分に現れます。
今の所どんなプレイヤーに対してもコーチングしています。プレイヤーのレベルに関係なく、たとえば相手が初 心者ならブラックリストやパスなど基本的なことも教えています。そして彼らがランクマッチで実際にプレイし ている所を見ながら、スカイプを使って色々アドバイスをするといった感じですね。
グウェントは勝利に至るまでのプロセスが非常に重要なゲームなので、例えば「カードアドバンテージが必要→ パスする」「カードアドバンテージがあれば自分が有利→どうやってカードアドバンテージを作るか」といった 思考が必要になってきます。
プレイヤーが個々に異なるコンセプトでプレイしているため、その中で各個人がどのようなプレイングをするの か を見るのは私自身も楽しいですし、私のもとに来るプレイヤーの人達は皆熱心にグウェントをプレイしてシーズ ン終了までにできるだけランクを上げようと頑張っています。コーチングによって彼らがグウェントを学んでい るのと同時に、私も彼らのプレイングから学んでいますよ。

Q:あなたの中のトップ10プレイヤーをあげてもらえますか?eスポーツや今後のトーナメントで活躍する選 手がいるかもしれません。
A:優れたプレイヤーは数多くいると思います。トップ10を発表するのはいささか時期尚早かもしれませんが 、それでも現在の私が思いつくトップ10をあげるとするとこんな感じでしょうか:(順不同)
・SuperJJ
・MaggoGx
・VayshxD
・eiSloth
・Freddybabes
・Lifecoach
・Gameking
・Coffe1ne
・Lea92fra
・Petrify​​​​​​

Q:あなたはストリーマーの中では議論好きなプレイヤーの1人ですね。それに発言も結構過激だったりします。こ れについてのあなた自身の見解は?また配信そのものについての意見も聞かせてください。
A:配信を始めた当時はまだ幼くて当時は情報発信がメインでした。例えば今やってるグウェントのコーチング のような感じです。このアプローチは現在でも変わっていませんが、自分にとってネット上の配信はエンターテ イメントであって、ネット上にネット外の自分をさらけ出してるわけではありません。ゲーム配信ではことさら 大袈裟にリアクションすることもありますが、それはネット配信だからこそOKだと思っています。エンターテ イメントだからこそ多くの人が見にきてくれるんです。
また最近では一辺倒な配信にならないようにしています。ガチなチャレンジ配信を気に入ってくれる人もいれば 、そ れを退屈だという視聴者もいます。ですから少し過激な発言を交えながら配信することも時としてありますね。 確かにそういう時は異論が出ることもありますが、あまり気にしすぎないようにしています。本来の目的である 楽しむことを忘れてしまわないように。
私は定時の仕事にとりかかるような感じでネット配信をしたくないですし、自分のプレイを継続的に分析し、何 よりその時の環境を存分に楽しもうと思っています。ただ私の配信(中の態度)が本気なのか冗談なのか視聴者 の方に必ずしも伝わっているとは限らないという問題はありますね。もちろん配信中の発言で特定のことを攻撃 する意図は全くないのですが…ですから個人的に受け取らないでもらえるとありがたいです。私も視聴者の方の 発言を個人的にとらないように心がけています。もちろん時には私も視聴者の発言にヘコむことはありますが、 それもストリームの一部だと思ってます。
ストリーム外での私の目標は世界のトッププレイヤーになること、それは決して変わりません。もし明日からス トリーム禁止といわれたら、それを犠牲にしてでもチャレンジし続けると思います。私にとってゲーム競技はエ ンターテイメントよりもずっと重要で、例えばGamescomの予選では特に配信はしていませんでした。グ ローバルランキングに100%集中したかったからです。

Q:巨大なeスポーツ組織と契約し、あなた自身のブランドも飛躍的に上昇しました。グウェントだけでなく ご自身の将来についてどう考えていますか?
A:最近の私はちょうど微妙な時期にあって、経済に関するディプロマをとった後に2月からフルタイムジョブ についています。今後グウェントが順調に成長し、私もグウェントシーンで生き残っていれば、その時は大きな 決断を迫られると思います。会社をやめてストリームとグウェントで食べていくのかどうか、決断の時が来るの を楽しみにしています。ただそういう決断をしたくないという気持ちもありますね(笑)

Q:あなたはSNSでも積極的に活動していますね。最後にあなたを見つけられる場所を教えてください。
A:私のソーシャルメディアの活動はシンプルですよ。日頃のアップデートはツイッター@PetrifySC2で行っています。配信はwww.twitch.tv/petrifysc2です。また上でもふれたコーチングに関する情報はGamerSenseiで見つかります。
 
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